☆新刊☆ ネット小説「光と影~そして」~第3章~「旅立ち」 [小説「光と影~そして」]
今日も綺麗な空だな~
俺のこと応援してくれてるのか?
ハハハ・・ありがとな。
シュンにとって自然は、友達であり、親のような存在であった・・
よし、準備は完璧だ!
けど・・
この格好じゃ、ちょっと目立つよな・・
目立たないよう、赤く長い髪を束ね、帽子で隠した。
シュンは鬼のような自分を恨んだことは、一度もなかった。
よし!これでいいだろう!
ま~バレたらバレた時だな・・
街までは、歩いて8時間ほどの距離だった。
シュンの記憶では、5時間ほど歩き、山を抜ければ
街が見えてくるはずだった・・
あれ・・?
もう見えてきてもいいはずなんだけどな・・
おかしいな~
ま~10年も前の記憶だから間違えてるのかな?
シュンは、あまり気にせずそのまま進んだ。
3時間・・4時間・・5時間・・
しかし、街は一向に見えてこない・・
気がつけば、辺りは暗闇に包まれていた。
あ~疲れた~
もうヘトヘトだよ・・
それに、真っ暗で何も見えないよ・・
今日はこの辺で休むかな。
シュンは、ここで野宿することにした。
山育ちのシュンにとっては、普通のことだった。
夜空を見ながら、いろいろと考えていた。
迷ったのかな?
でも、街まではこの一本道しかないんだけどな~
街が消えたのかな?
ハハハ・・そんなわけないか。
シュンは、地面に大の字で倒れこんだ。
新:第三弾 ジュリエットの小説「光と影~そして」~第2章~「意思、決意」 [小説「光と影~そして」]
第二章 『意思、決意』
俺は生まれ育ったこの国が、大好きなんだ。
元気を与えてくれる山、
悲しみを流してくれる川、
そしてすべてを包み込んでくれる海、
見ているだけで何もかも忘れさせてくれる空、
親も友達もいないけど・・俺は一人じゃない!って思えるこの国が好きなんだ。
これがシュンの闇の心の部分を抑えてくれているのかもしれない・・
俺も二十歳か・・
こんなところに一人でいても何も始まらないしな~
(これから何をするべきなんだろう・・何のために生まれてきたんだ・・)
シュンは悩んでいた。
自分の殻に閉じこもって、じっとしている現状・・
口には出さないが、このままではダメだということは本人が
一番よく分かっていた。
この状況を何とかしたかったのだ。
ハハハ・・悩んでもしょうがないか・・
そんなこと考えるなんて、きっと俺も外の世界に出る時が来たんだな!
ずっと街から離れて暮らしていたシュンには知らないこと
も多かった。
外の世界を何も知らないシュンにとって、知っている外の世
界は、10歳まで育った、自分の街しかなかった。
とりあえず街に行きたいけど・・
「街には近付くな!」ってみんなに言われてるし・・
でも、それじゃいつまでたっても何も変わんない・・
だから決めたんだ!
「自分の感情に、嘘をついて生きるのはもうやめよう!」って
その決意を胸に、街へ向かうことを決めたのであった。
そして旅立ちの朝を迎えた。
☆新作☆第三弾 小説「光と影~そして」~第1章~「プロフィール」 [小説「光と影~そして」]
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