新:第三弾 ジュリエットの小説「光と影~そして」~第2章~「意思、決意」 [小説「光と影~そして」]
第二章 『意思、決意』
俺は生まれ育ったこの国が、大好きなんだ。
元気を与えてくれる山、
悲しみを流してくれる川、
そしてすべてを包み込んでくれる海、
見ているだけで何もかも忘れさせてくれる空、
親も友達もいないけど・・俺は一人じゃない!って思えるこの国が好きなんだ。
これがシュンの闇の心の部分を抑えてくれているのかもしれない・・
俺も二十歳か・・
こんなところに一人でいても何も始まらないしな~
(これから何をするべきなんだろう・・何のために生まれてきたんだ・・)
シュンは悩んでいた。
自分の殻に閉じこもって、じっとしている現状・・
口には出さないが、このままではダメだということは本人が
一番よく分かっていた。
この状況を何とかしたかったのだ。
ハハハ・・悩んでもしょうがないか・・
そんなこと考えるなんて、きっと俺も外の世界に出る時が来たんだな!
ずっと街から離れて暮らしていたシュンには知らないこと
も多かった。
外の世界を何も知らないシュンにとって、知っている外の世
界は、10歳まで育った、自分の街しかなかった。
とりあえず街に行きたいけど・・
「街には近付くな!」ってみんなに言われてるし・・
でも、それじゃいつまでたっても何も変わんない・・
だから決めたんだ!
「自分の感情に、嘘をついて生きるのはもうやめよう!」って
その決意を胸に、街へ向かうことを決めたのであった。
そして旅立ちの朝を迎えた。
2008-10-15 15:49
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