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新作  ネット小説「その先にある自由」第3章~第一の国『無国家王国』 [小説「その先にある自由」]

             「その先にある自由」


  第三章   第一の国『無国家王国』



gunkan9.jpgこの国は、最初に分裂を宣言した国である。

最初に目覚めた人たちが大半を占めていた。

だからこそ意思や感情も、豊かではあった・・

だからこそ、今までの偽りの世界をいち早く知り、立ち上がったのである。

目覚めのきっかけは、自分自身生きているのがつまらなくなり、その瞬間、胸にイライラする感覚が走ったのだった。

それは自分への怒りでもあり、自分の置かれている環境へのいかりでもあった。

ここに集まる者たちの共通点は最初に強く感じたものが「怒り」というものであったということ。

簡単に言うなら、自由を奪われていた怒りによって目覚めた者が、たどり着いた場所である。

gunkan6.jpg「自由こそすべて!」と、怒りによって目覚めてしまった人たちの国である。

そのため、最初はうまくいっていたが「怒り」では社会は成り立つはずもなく・・

やがて法も秩序も何もない、ただの無法地帯と化していった。

 

 

 

gunkan32.jpg



嫌なことがあれば争い・・

欲しいものがあれば奪う・・

自分の自由を得るためなら人を殺してもしょうがない・・

どんどんエスカレートしていった。

これも自由、あれも自由、全て自由・・・

感情の中で怒りがもっとも強い人たちには、自由という意味を考える思考回路はすでになかったのだろう・・

そして気付いた頃には、この世のものとは思えない、地獄のような世界が誕生していたのであった・・

感情の欠けている人たちが、平等や自由を求めるには、難しすぎるものであったのだ・・

その後は、己の力で自由を手に入れる、まさにピラミッド型の典型的な、弱肉強食の国が出来上がっていったのであった。

gunkan34.jpggunkan10.jpg

 

 


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